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Apple Music ロスレス&ハイレゾ配信開始! 音楽ストリーミングを高音質で聴くために必要不可欠なものとは?

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今や音楽を聴く手段として一般化した「音楽ストリーミングサービス(音楽サブスク)」。 中でも、

辺りが有名で、この記事を読まれる方の中には有料サブスクリプションでの利用者も多いのではないでしょうか。

また、2020年以降はコロナ禍もあってか、日本国内でも音楽ストリーミングの需要や今後利用したいというニーズが増えていることが、先日公開された「博報堂生活定点2020」にも表れており、世界的にはすでに音楽産業の収益の大半が音楽ストリーミングになっているほどです。

生活定点1992-2020|博報堂生活総研
図1:「音楽配信サービスを利用している」:35.8%
図2:「音楽配信サービスを利用したい」:55.9%


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Apple Music の空間オーディオ&ロスレスハイレゾ配信の衝撃

これまで、音楽ストリーミングサービスで「ロスレス」や「ハイレゾ」での配信は、海外では「TIDAL HiFi」や「qobuz」などが広く普及していましたが、日本国内では 2017年12月に「DEEZER HiFi」が、2019年9月に「Amazon Music HD」がようやく対応したばかりといった状況で、当初月額1,980円程度で提供されていました。

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しかし今年の6月、「Apple Music」が既存のプラン (月額980円) のまま「追加料金なしでロスレスハイレゾロスレス配信および空間オーディオに対応」し、現時点では対応端末が Apple 製端末に限られるものの、日本のスマートフォンの約6〜7割のシェアを占める iPhone などでロスレス音楽ストリーミングを気軽に聴けるようになりました。

これを受けて、ライバルとなる Amazon が従来追加料金が必要だった「Amazon Music HD」を、Amazon Music Premium の「月額980円のまま追加料金なし」で利用可能とし、WindowsAndroid 端末ユーザーも恩恵が受けられるようになった他、以前からロスレス配信が噂されている Spotify Hi-Fi もこれに追従するのでは?という憶測(期待)も流れています。

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従来はダウンロード購入がメインだったハイレゾ音源が、音楽ストリーミングによって事前に大容量のデータ保存用ストレージを用意することなく、誰でも気軽に聴けるようになったことは、ロスレスハイレゾの敷居が下がったという点で、日本でも新しい音楽ライフスタイルの時代へ大きな転換点になるのかもしれません。

ロスレス(Lossless)でもロッシー(Lossy)でも、あるとなしでは大きく変わるもの「USB DAC

ロスレス」とは "lossless" の文字通り、元の音楽データからロスのないそのままのデータ(非圧縮または可逆圧縮)で、これが「ハイレゾ」="High-Resolution" になると、スタジオマスターとほぼ変わらないクオリティの音楽データになります。

世間一般では、AACやMP3などに代表される「ロッシー(Lossy)」音源よりも「ロスレス(Lossless)」や「ハイレゾ(High-Resolution)」音源の方が高音質と言われるのが常ですが、実際に耳にする「音質」に影響するのは、

  1. データが「ロスレスハイレゾか」だけでなく
  2. 音源の「収録品質」や
  3. 「どういった方法で再生」するか?

の方が実は体感上は大きくなります。

ハイレゾ音源だからといって音質がよいという保証は実は何もなく、その収録品質によっては、聴感上はハイレゾ音源よりも高音質に聴こえるAACやMP3音源も存在し得ます。

そこで音質を左右する鍵となるのが「3. どういった方法で再生するか」という部分で、スピーカーで聴くにもヘッドホンやイヤホンで聴くにもその有無によって大きく音質を左右するのが「USB DAC」です。

音楽ストリーミングを存分に楽しむには「USB DAC」が必要不可欠

パソコンで聴くにしても、スマホで聴くにしても、デジタル音楽データは最終的にアナログ音声に変換されて耳に届きます。

スマホやパソコンのヘッドフォンジャックでは元の音を引き出しきれない?

しかし、現在のスマホiPhone に代表されるようにヘッドフォンジャックがない機種も多く、スマホやノートパソコンなどにヘッドフォンジャックがついていても、そのほとんどは薄型軽量な本体のわずかなスペースに詰め込まれた小さなICチップが、デジタル信号を音声に変換する「DAC (Digital to Analog Converter)」とヘッドホンで聴ける音量まで「増幅する=アンプ」機能を一手に担っており、デジタルデータの音源が本来持つ音を充分に引き出しきれていないことがほとんどです。

また、スマホやパソコンはあらゆる電磁気ノイズの塊でもあり、そうした内部から発生するノイズが音声信号に混入しやすく、特にWindowsパソコンのヘッドホンジャックにヘッドホンやイヤホンを指すと「ゴニョゴニョ」といったノイズが乗ることがあるのもそのためです。

音楽データをノイズなどの影響を受けずにピュアなまま音にする「USB DAC

これを一気に解決できるのが、USBケーブルでデジタル信号のままパソコンやスマホの本体外に取り出して、ノイズの影響を受けることなく高性能なオーディオ専用のDACチップで音声に変換する「USB DAC」で、ヘッドフォンアンプを内蔵した「USB DAC」が1台あれば、これ一つで音楽ストリーミングで送られてきたデジタルデータを余す所なくヘッドホンやスピーカー(およびプリメインアンプ)に送り出すことができます。

USB DAC も最近ではスマートフォンに直接挿して使える超小型のものもあり、数年前に比べて選択肢もかなり豊富になっています。
どんな USB DAC を選べばよいか?は、

  • 主にどんな使い方をしたいか?
  • どの程度の音質を求めるか?

でそれぞれ適した機種がありますので、一概に「これがベスト」というものはありませんが、利用シーンによっては次のような選び方もあります。

デスクトップユースに適した「USB DAC」の例

椅子に座ってじっくり腰を据えて聴きたいけれど、フルサイズのオーディオコンポーネントは大きすぎて、かといって小型で安価すぎるものでは音質的に物足りないという方には、例えば弊社 Soundfort のロングセラー機「DS-200」なども選択肢の一つとしてオススメです。

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発売から年数は経っていますが、高級機と同様の設計手法で日本人エンジニアが「豊かな音楽性」を求めて試作と試聴を繰り返しながら開発したデジタル/アナログ完全分離基板設計、超低歪のヘッドフォンアンプを搭載、かつ手のひらサイズのデスクトップに置きやすいサイズで、3万円強の価格ながらその数倍の機種と比較されることも多く、今も尚根強い人気を保っています。

通常このクラスでは、USBバスパワーのみで外部の電源なしで動作する機種も多いですが、DS-200ではあえて外部電源を採用し、電源およびUSBケーブル由来のノイズをカットする回路も備え、安定感したパワーのあるサウンドを実現しています。

また、外部電源の恩恵として、光デジタル/同軸デジタル入力にも両対応し、TVなどからの光デジタル出力音声を再生することもできます。

また、DS-200 の弟機とも言える DS-100+ という機種のデッドストック品(新品)が最近弊社奥深くで発見され、現在弊社直販サイトにて限定販売です。こちらもDS-200と同じ設計思想で、日本人エンジニアが納得いくまでチューニングを繰り返し開発された製品です。

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USB DAC やヘッドフォンアンプは上を見ればキリがなく、かといって数千円の機種では聴いているうちにだんだん物足りなくなってくることもあり、なかなか悩ましいところですが、Soundfort 製品はスペックには現れない「音楽性」を重視した設計で、低価格ながらも音質へのこだわりある機種として、候補の一つに入れていただければ幸いです。

購入前のご検討用に、貸出サービスも行なっております。

スマホや持ち運びに便利な小型「USB-C DAC/AMP」

最近続々と様々なメーカーから出てきているのが、スマホに挿すだけで使える小型の「USB-C DAC/AMP」です。

USB Type-C ケーブルあるいは Lightning ケーブル一体型のもから、ケーブル交換式で AndroidiPad、PC、iPhoneなど幅広い端末に接続できるものまで様々なものがありますが、スマホに付属する純正変換ケーブルの比ではない高音質なものが多く、やはり音質で選ぶならオーディオ専門メーカー製のものがオススメです。

このジャンルの製品はその人気ゆえ、現在の世界的な半導体不足等の影響で在庫や入荷時期が不安定な機種が多いですが、小型なので常にカバンに忍ばせておくなど移動の多い方にもおすすめです。入荷待ち予約しておくのも手です。

意外に侮れない高音質 Bluetooth レシーバー

スマートフォンなどで使う際、意外に侮れないのが高性能 Bluetooth レシーバーの音質のよさです。

今では下手な「USB/Lightning変換アダプター」よりも音質がよいのでは?と思えるような機種が多く出てきており、「Bluetooth は音質が…」という心配は完全に過去のものとなりました。Bluetooth レシーバーの音質は AAC, aptX HD, LDAC といった「Bluetooth オーディオコーデック」による差は確かにあるにはありますが、それ以上にDACとアンプの性能による差の方がはるかに大きいと考えてよいでしょう。

また、最近の Bluetooth レシーバーは多くの機種が USB DAC 機能も備えているため、「USB-C DAC/AMP」として使える場合があります。
機種によっては「USB Audio Class 1.0(16bit/48kHz)」のみ対応の場合もありますが、現行機種はDACの性能自体が高いため、音楽ストリーミングなどは充分な音質で聴くことができます。

Bluetooth レシーバーは、デジタル出力も備えた家庭用の据置機に接続できるものも数多く出ているので、スマホから直接 Bluetooth レシーバーに送って、光デジタルあるいは同軸デジタル出力を DAC に接続して聴いてもひと昔と比べれば驚くほどの音質で聴くことができます。 また、最近は Bluetooth だけでなく Wi-Fi (DLNA, AirPlay)にも対応した機種もあり、選択肢がグッと広がります。

快適な音楽ストリーミングライフのために

音楽ストリーミングサービスがロッシーかロスレスハイレゾか、その違いを実感するには再生機器もそれなりの性能のものが必要になり、今は再生機器の性能さえ良ければ、ロッシー(Lossy: 不可逆圧縮)音源や非ハイレゾ音源であっても充分な高音質が得られる時代です。

SpotifyApple Music、Amazon Music など、それぞれのサービスごとにジャンルの得意不得意や音楽の聴き方による向き不向きがありますので、無料体験期間などを利用してスマホやPCなど様々な環境で同時に使ってみて、自分に合ったサービスと再生環境を探してみるのもよいのではないでしょうか。

音楽ストリーミングサービスは、今まで知らなかった新しい音楽にも出会える場でもあり、音楽ライフをより充実させてくれること請け合いです。

日本で提供されている音楽配信サブスクリプションサービス一覧

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