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オススメのイヤホンブランド全米ランキング 2015秋

前回の「ヘッドホンブランド全米ランキング」に続き、今回は「イヤホン」に絞ってランキングを発表したいと思います。

soundfort.hatenablog.com

「イヤホン」という呼び方は日本特有?

前回のヘッドホンの記事でも少し触れましたが、海外では「Headphones」というカテゴリに日本で言う「ヘッドホン」も「イヤホン」も含む場合が多く、日本で言う「イヤホン」は「Earbuds」あるいは「IEM (In-Ear Monitors)」と呼ぶことが多いようです。
もちろん「Earphones」という言葉もありますが、「Earphones」は対象が広い表現のため、耳の中に収まるような小さな「Earphones」を限定的に指す「Earbuds」がよく使われるようです。この辺りはメーカーによって表記が異なる場合が多いので、ハッキリした区別がないのが現状です。(ちなみにモノラルではなくステレオで左右で2つあるため、通例「-s」と複数形になります)

また、「IEM」は「カスタムIEM」など、日本でもよく使われる表現ですが、英語圏では日本のそれより対象がやや広く、音質を追求した高級なイヤホンを「IEM」と総称する傾向があります。
元祖「IEM」は、主にアメリカの大手「Shure」社が開発した、ケーブルを耳の上から後ろにまわして固定し(いわゆる「シュア掛け」)、ステージ上でミュージシャンが音を確認するのに使うモニター用イヤホンで、主にそれに類するものが「IEM」と呼ばれています。

【国内正規品】SHURE カナル型 高遮音性イヤホン SE215 クリアー SE215-CL-J

全米で人気のイヤホンブランド・ランキング2015年秋

では、早速前回と同様、「specout」という海外のガジェット比較・ランキングサイトでレビューサイトの評価やスペックなどのスコアで集計したランキングを見てみましょう。(表示されるのは本日時点の最新のランキングです。)

今回の条件は次の通り。

  • インイヤータイプ(主にカナル型イヤホン)
  • 有線式(ワイヤレスじゃない普通のイヤホン)
  • 有名ブランド

ランキングを予想した方、いかがでしたでしょうか?
なるほどというところもあれば、これは意外というものもあるのではないでしょうか。(日本のランキングとはまた違いますね)

では、2015.9.16時点のランキングを順に見てきましょう。

個性派揃いの10位と9位

10位 Bose
9位 Koss

Bose」(ボーズ)のイヤホンは、スポーツ向けやノイズキャンセリング機能が有名ですね。
9位の「Koss」(コス)は、安価なイヤホンが多く「The Plug」という低音が超図太いイヤホンが有名で、価格が安いことから改造して楽しむ人も多いようです。

大手メーカーが並ぶ8位〜4位

8位 Philips
7位 Sony
6位 audio-technica
5位 Sennheiser
4位 Panasonic

ヘッドホンランキングと同じく、やはり安定の大手メーカーがミッドレンジにきました。
日本のメーカーも3社がランクインしていますが、平均スコアでのランキングのため、おそらくこの中で一番たくさんの機種を作っているであろう、オーディオテクニカが真ん中に来ているのもうなずけます。
このクラスはメーカーあたりの機種バリエーションが多く価格レンジが広いだけに、あまりに安いものは別として、そこそこの値段のものであれば比較的満足できる機種が多いと思います。

日本では郊外の電器店に行くと「Sony」と「audio-technica」、「Panasonic」しか置いてないことも多く、圧倒的なシェアを占めている印象ですが、海外メーカーも国内での取り扱い店舗は少ないものの、都市部の大型家電量販店やオーディオ専門店では人気があります。

例えば、「Sennheiser」(ゼンハイザー)の「MOMENTUM In-Ear」などは価格と音のバランス、装着感が非常によく、ちょっと周りと差を付けたい方にオススメです。

Philips の「SHE9710シリーズ」は低価格高音質イヤホンの定番としてよく知られていますが、ちょうど後継となる新型「SHE9720シリーズ」が今月発売になるので、前モデルの「SHE9710シリーズ」がさらにお買い得になるかも?

音質に定評ある3位〜1位

今回、表彰台に上がったのは次の3ブランド。

3位 Shure
2位 Klipsch
1位 AKG

3位の「Shure」(シュア)は冒頭でも紹介した元祖IEMメーカー。まだ高級イヤホンが一般的でなかった時代に、プロ向けの「インイヤーモニター」をいち早く市販化し、それまでにない高い遮音性と高音質で一躍オーディオファンの支持を集め、人気のブランドとなりました。

2位の「Klipsch」(クリプシュ)は日本ではそれほどメジャーではありませんが、他のイヤホンとは一線を画す、装着していることを忘れるほど小型軽量でデザインの美しさと高音質を兼ね備えた人気機種「X10」を筆頭に、独自の技術で個性的なラインナップをもつメーカーです。

そして、ダントツで1位に輝いた「AKG」(アーカーゲー)。 ヘッドホンランキングでも4位を獲得していますが、どちらかと言うとヘッドホンメーカーというイメージが強いので、イヤホンランキングで1位というのは意外でした。

AKG」はイヤホンのラインナップ自体は少ないものの、フラッグシップ機となる3ウェイハイブリッドイヤホン「K3003」を初め、総合評価の高い機種が揃っているのがアベレージでハイスコアを獲得している所以でしょう。

ランキングは価格帯によっても大きく変わる

今回は価格については特に範囲を設定していませんが、価格帯を絞ると、またランキングが変わってきます。
気になる方は、上のグラフをクリックしてグラフのパラメーターや条件を色々変えて試してみてください。

例えば、$25〜$250(約3千円〜3万円)の「ユーザー評価の平均ランキング」を見てみると次のようになります。

今度は「Sony」がトップになり、ヘッドホンランキングでも出てきた「Skullcandy」や「JVC」の他、「beats」も登場し、順位も大きく変わっています。

ちなみに、価格帯毎のおおよその目安としては、次のような感じ。

  1. 〜5千円前後はカジュアルユース中心で機種も色もバリエーションが非常に多いゾーン。時々銘機もあり。
  2. 1万円前後になると、各社とも音質に磨きをかけたこだわりの機種が増え、見た目の高級感もグッと増して「付属イヤホン」とは別次元の音に。
  3. 3万円前後になると、そのクオリティゆえに音源やプレイヤーによる差がハッキリと出てくるので、非圧縮音源やハイレゾ音源をハイレゾプレイヤーや、ハイレゾDACで聴くのがオススメ。
  4. それ以上の価格帯では上は10万円を超え、徐々に金銭感覚がおかしくなってきます。

多くの場合、1.でイヤホンによる音の違いに目覚め、あるときふと2.を手に入れてますます面白くなり、1〜2の間を行ったり来たりしているうちに、なぜか手元にイヤホンが増えてくるという現象が発生します。俗にこれを「イヤホンスパイラル」と呼び、重症化すると1〜2が2〜3に、さらに3〜4へと進行し「イヤホン沼」と呼ばれる、深い底なしの沼にどっぷり浸かることになるそうです。

イヤホンはヘッドホンに比べて小さく場所をとらないので、このスパイラルや沼にはまる人が多いようです。

イヤホンの終着点?「カスタムIEM」とは

冒頭でも少し触れましたが、「カスタムIEM」とは、読んで字の如く「カスタムメイド」な「IEM」です。
これは主に、前出の「イヤホン沼」にハマった人々が終着点を求めて(おそらく)最後に辿り着く処で、耳の穴の型(インプレッション)を採取し、どんな音質チューニングにするか好みの音を選び、世界に1つだけの自分専用に作るイヤホンです。

実はこの耳の型を採取して加工する作業は、補聴器を作る際とほぼ全く同じ工程で、実際、補聴器を作っているメーカーが「カスタムIEM」を販売しているケースも多くあります。
「カスタムIEM」も、もともとはプロのミュージシャンがステージ上で音をとるために遮音性とモニターとしての正確な音の聴きとりやすさを両立させるために使っていたのを、一般向けに販売しているものです。そのため、カスタムIEMを装着すると耳の穴にピタリとハマって耳栓のような状態になり、外界とは隔絶された音の世界になります。

より詳しくは、コチラの記事が参考になります。 www.digimonostation.jp

日本の街中でよく見かけるイヤホンは?

ざっくりとした印象ですが、郊外にいけばいくほど「iPhone付属イヤホン」(Apple EarPods)の比率が高まり、都市部に行くと「beats」のイヤホンが増えてきて、大都市部になると様々なメーカーのイヤホンやIEMを見かけるようになってくる気がします。
やはり「beats」はヘッドホンでもイヤホンでもブランドとして人気があるようですね。

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