ブルートゥースと音楽と音質
部屋とYシャツと私みたいなタイトルになりました。古いですね。。。
さて、ブルートゥース(Bluetooth)は便利ですね。配線なんか気にする事なく、携帯プレーヤーやスマホの音楽をスピーカーから聴く事ができます。
Bluetooth とハイレゾ
最近はスマホでもハイレゾ音楽再生が出来る様になってきているので、Bluetoothスピーカーに繋げれば簡単にハイレゾ音楽が楽しめる!と思いがちですが、実はそうは問屋が卸しません(これも古いですか)。
理由は、Bluetoothではその仕様上、音楽データーを飛ばす時にA2DPというプロファイル(取り決め)に従い、データ圧縮をするからなんですね。このA2DPでは、一般的には「SBC」というコーデック(圧縮技術)が使われていて、元データは場合により約1/20まで圧縮されます。
これではどれだけ良い音源を持っていても、あまり意味は無いですね。
Bluetoothオーディオの高音質化
最近はユーザーから高音質への要求も高まっているようで、「SBC」というコーデック以外に「AAC」や「aptX」といった、より音質の良いコーデックが使える製品が出てきてます。これで、Bluetoothの音質も随分と改善されました。(ただし送信側と受信側の両方が同じコーデックに対応している必要があります)
また、標準コーデックの「SBC」自体も圧縮率を抑えるなど高音質化の工夫がなされ「SBCは音質が良くない」というのは過去の話になりつつあるようです。
しかし、それでもハイレゾ音楽がその音質のままBluetoothスピーカーやBluetoothヘッドフォンに飛ぶわけでは無く、結局は「AAC」や「aptX」あるいは「SBC」で一旦圧縮されたものを聴くことになります。
ただ、実際の所は「ワイヤレス」という利便性の方が圧倒的に勝るので、圧縮による音質の低下はほとんど気にならないケースが多いようです。
要は適材適所ということですね。
音楽データの圧縮方式あれこれ
PCオーディオを始めようとする時に、まず悩むのが、「音楽データーをどの方式で保存すれば良いんだ?」だと思います。一応、下記まとめです。
①不可逆(Lossy)圧縮形式
不可逆圧縮方式というのは、大雑把に言うと「聞こえにくい周波数の音を無視したり、音を間引いたりするからちょっとだけ音質は悪くなるけど、その代わりファイルサイズはめちゃくちゃ小さくなりますよ」というやり方のことで、MP3やAAC、マイクロソフトのフォーマットであるWMA(Windows Media Audio)という規格があります。
一回圧縮してファイルサイズを小さくすると、その省略されたり間引かれたデータは無くなってしまうので、元に戻りません(不可逆、ですからね)。
その昔、携帯オーディオプレーヤーを『MP3プレーヤー』と読んでいたくらい、メモリーが高価で容量が少なかった時はこれらが一般的だったと思います。
(そういえば、ソニー方式でATRACというのもありました。。。)
②可逆(Lossless)圧縮形式
これは、あるアルゴリズムに乗っ取って音楽データを小さくすることで、音楽のデータファイルサイズは小さくなるけど音質はそのままです、という方式です。
可逆圧縮って、どんなやり方かというと、例えば、「AAAABBBBCCC」というデータがあった場合、まどろっこしいので、「A4B4C3 (Aが4個、Bが4個、Cが3個) 」という感じで略しましょう、ということですね。再生(デコード)時にこの規則に従い元のデータに戻されるので、データは元に戻ります。
この可逆圧縮方式のフォーマットとしては、「ALAC (Appleロスレス)」や「FLAC」などがあります。
ALACやFLACフォーマットでは、アーティスト名、楽曲名等の情報(タグ情報とも言いますが)を音楽データに記録できるというのもメリットです。
③非圧縮形式
音楽データ、圧縮無しでそのまんま、という形式です。
WAV(主にマイクロソフトで使われている形式)や、AIFF(アップルの標準形式)があります。音楽データに劣化はありませんが、ファイルサイズが大きいです。
音楽CDの音は、リニアPCMという方式でデジタル化されていますが、それをそのままPCにコピーすることができます。
純粋な音楽データなので楽曲名などのタグ情報を記録する事はできません。
ハイレゾを楽しむために現実的で実用的な形式は?
本当はもっといろいろとデータ形式はあるようですが、一般的にPCでハイレゾオーディオを楽しもうとすると、②か③で挙げたフォーマット選べばそう間違いはありません。
しかし、③の非圧縮フォーマットはデータのサイズがとても大きくなるので、たくさん音楽を保存したい場合には大容量のハードディスクなどを用意する必要があります。
そのため、現実的かつ実用的なフォーマットとしては楽曲名やアーティスト名、ジャケット画像などを音楽データに記録できる②の可逆圧縮フォーマットが一番無難ではないでしょうか。
以上のことをふまえると、Macがメインで全ての音楽をiTunes管理している方は「ALAC (Appleロスレス)」、他のソフトでも再生や管理をしたい場合は「FLAC」という所に落ち着きそうです。
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