「真空管アンプ」と「真空管ハイブリッドアンプ」の違い
「真空管」を使ったオーディオアンプやヘッドフォンアンプは、その独特の心地よいサウンドから根強い人気がありますが、「真空管アンプ」と一口に言っても、実は大きく2種類あることをご存知でしょうか?
具体的には次の2種類になります。
これをおおまかな図で表すと次のようになります。
また、それぞれの特徴を比較してみると、おおむね次のようなメリット・デメリットがあります。
真空管アンプ | 真空管ハイブリッドアンプ | |
---|---|---|
音の真空管らしさ | ◎ | ○ |
真空管の数 | 主に4本以上 | 主に2〜1本 |
消費電力 | 非常に大きい | 小さい |
発熱 | 高温(やけどします) | 低温(あたたかい程度) |
発光 | 真空管自体の光です | 真空管の下からLEDで光らせるものがほとんどです |
出力 | 低い | 高い |
大きさ・重さ | 大きく重い (特に出力トランスが巨大) |
小さく軽くできる |
価格 | 比較的高価 | 比較的安価 |
純粋な「真空管アンプ」はトランジスタ登場以前からの真空管アンプと変わらず、実に「真空管らしい音」がします。
が、上の表のように消費電力と発熱量が半端なく大きいため、現在ではオーディオファンの中でも特に往年のアナログサウンドへの志向の強い方々やアンプを自作される方々などを中心に、一定の人気を保っています。
一方「真空管ハイブリッドアンプ」は、真空管を部分的に使うため、消費電力や発熱が大幅に低く小型で高出力なアンプを作ることができ、かつ「真空管テイスト」の音を安価に気軽に楽しめることから、近年人気の高まっている方式です。
ヘッドフォンアンプでは、バッテリーで駆動するポータブル機も多く販売されており、小型の真空管アンプは大抵は「真空管ハイブリッドアンプ」と思ってよいでしょう。
弊社の人気機種「Q9」および「QS-9」シリーズ(大変残念ながら現在製造終了してしまいましたが…)も、この「真空管ハイブリッドアンプ」です。
今回は、真空管アンプの種類についてご紹介しましたが、真空管の最大の魅力でもある、真空管アンプや真空管ハイブリッドアンプは「なぜあの心地よい音が出せるのか?」については、またの機会に触れたいと思います。